今回は、皮膚のアポクリン腺癌という比較的珍しい悪性腫瘍の症例を報告させていただきます。
元々は他院で診断のために一度腫瘍を全部切除しており、「アポクリン腺癌」と診断されていました。
再発して急速に大きくなってきたということで来院されました。
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*可動性はありましたが、しっかり距離を確保して切除することは難しいと考えられました。
完全切除を試みると距離を確保しようとすると目や鼻の骨を切除しなくてはいけないため、飼い主さんと相談しできる範囲で大きく切除することになりました。
少なくとも距離は腫瘍から5mmから1cm程度は取ることにしました。
元々手術で合併症の顔面変形が可哀想で拡大切除に踏み切れないということでしたが、腫瘍が大きくなると結局それで顔が変わってしまうため
それであれば手術で切除した方が良いことをお伝えして手術を行いました。
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術前は食欲が落ちていたということですが、術後は以前のようによく食べるということでした。
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*手術後1ヶ月の写真です。この時は傷も良くなったので当院でトリミングしていただきました!傷もすっかり良くなり毛も生えてきました。
*皮弁を使用しているので毛の生える向きが今までと違ってしまっていますが、毛が生えたことであまり顔の変形も気にならないようになりました。
アポクリン腺癌は転移より再発に注意する腫瘍と言われていましたが、最近は転移も珍しくないという報告もありますので
腫瘍は切除できていましたが、追加治療で抗がん剤を始めています。
特に抗がん剤の副作用も出ておらず、一般状態は良好で元気に過ごしています。
何か腫瘍でお困りのことがありましたら一度、相談していただければと思います。