会陰ヘルニア

排便時に痛がるということでわんちゃんが来院しました。

直腸検査で右側の会陰ヘルニアと診断しました。

ヘルニア孔の大きさは大きかったですが腸や膀胱などは飛び出ていませんでした。

去勢手術と円錐状のポリプロピレンメッシュを用いた整復術を行いました。

手術前の写真です。肛門周囲の膨隆が認められました。
ポリプロピレンメッシュを円錐状にしてヘルニア孔に入れている場面です。
術後の写真です。術後の感染のリスクを下げるために皮膚縫合を丁寧に行い、切開部分にワセリンを塗っています。

会陰ヘルニアは男性ホルモンによりお尻周りの筋肉が薄くなることにより起こるとされています。

未去勢の犬で起こります。

会陰ヘルニアの手術は多くの術式がありますが、しばしば再発が認められます。

少しでも再発のリスクを下げるために当院では強度の強いポリプロピレンメッシュを用いる方法を実施しています。

ポリプロピレンメッシュを使用するデメリットとしては感染のリスクとなりますが、術前の洗浄消毒や術後のケアでなるべく感染がおこらないように管理をしています。

本症例は術後1ヶ月程度ラクツロースを内服してもらいその後は経過観察としていますが、術前の排便時の痛みもなくなり元気に生活しています。