犬の肝細胞癌

今回は私(院長)の犬が肝細胞癌になって手術をしましたので紹介したいと思います。

以前から肝臓の数値が悪かったため定期的に超音波検査や血液検査を行っていました。

*2021年5月(2年前)の超音波検査です。肝臓に1cmほどの嚢胞(液体が溜まった袋)が認められました。
 良性の変化の可能性もありましたので経過観察としました。
*2022年5月(1年前)の超音波検査です。嚢胞だった病変が充実性に変化しています。大きさは2〜3cmほどに大きくなっていました。
 腫瘍の可能性も有りましたが、場所が胆嚢に近いため手術のリスクがあり経過観察としました。
*2023年7月(今年)の超音波検査です。大きさが6cmを超えて明らかに大きくなっています。
 大きくなるスピードが早くなっており、病変の数が1つしかないことから肝細胞癌が疑われました。
 肝細胞癌であれば完全切除できれば完治できる可能性が高いため岐阜大学動物病院に紹介しCT検査を実施しました。
*CT画像です。赤枠が肝臓腫瘍です。肝臓の方形葉という場所から出ていました。

出血のリスクなどもあることから今回は大学の動物病院で手術してもらうことしました。

私も手術に入らせてもらいましたが大きな出血もなく安全に切除できました。腫瘍からの距離(マージン)も5mm程度あり、完全切除でした。

今回は私の飼っている犬でしたが、定期検査や病変のフォローアップがとても重要だということを痛感しました。

当院では定期検査を推奨しています。

状況によっては大学病院などの二次診療施設への紹介もさせていただいています。

なにかお困りのことがあったら気軽にご相談ください。

*手術して3ヶ月ほど経ちますが、再発もなく元気です。15歳と高齢ですが少しでも長生きしてもらいたいと思います。