胆嚢切除(胆嚢炎)②

今回は胆嚢を切除したわんちゃんの症例を報告します。

今朝から嘔吐、元気食欲もないということで来院。

おしっこもいつもより濃いということでした。

まだ3歳で若かったですが一般状態が悪いため血液検査を行いました。

血液検査では肝臓の数値が測りきれないぐらい上がっており、ビリルビンという数値も高く、炎症の数値も高い状態でした。

超音波でお腹を確認しました。特に肝臓の数値が高いため肝臓と胆嚢、総胆管という部位を重点的に確認しました。

超音波で確認すると総胆管が拡張しており、その拡張は総胆管の開口部(小腸につながっています)まで拡張していました。

また総胆管の中にキラキラした粒子状のものが確認でき、石や砂、炎症物質のようなものが疑われました。

*青枠;小腸です。赤枠;総胆管の開口部であり、正常ならこのように総胆管開口部が見えることはありません。幅も4.5mmと拡張していました。

ここで手術する方法もありますし、内科治療で経過を見て、ビリルビンが下がってきたタイミングで手術をするという方法もあります。

それぞれ一長一短がありますので説明させていただき、まず内科治療で反応をみて、ビリルビンが下がってきたところで手術するということになりました。

2日入院してビリルビンの数値も下がってきたため、胆嚢摘出、総胆管の通過試験、肝生検を行いました。

お腹を開けると胆嚢と腹壁が癒着していたため、胆嚢が破れないように注意しながらまず癒着を外しました。

*赤枠;癒着を外したあとの胆嚢です。胆嚢が破れてしまうと胆汁(消化酵素)が腹腔内でてしまうので慎重に指で外しました。

そのあとは胆嚢を切除し、総胆管の通過試験を行いました。

通過試験も問題なかったため、肝臓の一部の切除して手術を終わりました。

*左が取り出した胆嚢です。右側は胆汁です。胆汁は細菌がいないか検査へ提出しました。

検査の結果ですが、胆汁に明らかな菌は、いないということでした。

胆嚢は潰瘍性出血性胆嚢炎、胆嚢の壁の一部が壊死しているということでした。

肝臓は化膿性炎症が認められ胆嚢炎による影響が考えられるということでした。

今回の場合は、胆嚢炎により血餅や胆嚢の粘膜などが脱落して総胆管に詰まった可能性が高いと思います。

手術をどこで行うか、内科治療で経過を見るかなど判断が難しいところがありますが、

胆嚢の壁が一部壊死していたということでしたので、状況によっては今後胆嚢破裂やそれによる腹膜炎も十分に考えられました。

手術を実施して良かった症例だと思われます。

そのあとは数ヶ月肝臓の薬を飲んで、肝臓の数値も正常値になったので今は薬を飲まずに元気に生活しています。

同じような症状でお困りの方は
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